J-Create+に入居する起業家の方々をご紹介するインタビュー企画。今回ご登場いただくのは当たり前の日常にあるスペースを、あたらしい発想でマネタイズしようとする“アドカービジネス”&所有の新しいスタイルを起案、学生ならではのアイデアでこれから動き始めたレンテックスの木下さん、粟井さんにお話を伺いました。
創業のきっかけ、ビジネスを通じて、どんな価値を社会にプラスしていきたいのか?
そして、これからの展望について、さまざまなお話をじっくりとうかがいました。
企業と学生がコラボするプログラムから生まれたアイデア
現在はまだ首都大学東京に在籍をする二人。起業するきっかけは、2017年の夏に行われた大手電機メーカーと学生が共同研究を行うプログラムに参加したことから。学生として企業の文化に触れることが出来、さまざまな刺激を受けたとても素晴らしい経験だったとのこと。
「アイデアを形にしていくプロセスを学ばせていただきました。プレゼンを行い、提供したい価値を多くの方々に伝えるということ、全てが本当に勉強になりましたね。」と木下さん。
「そこでの経験を活かしたくて、大田区が行なっている閉校した小学校の空間を活かした産学連携支援施設・新産業創造支援施設へアイデアを持って、飛び込んだんです。起業ということまでは想定していないまま、勢いですね笑。そこでしっかりとプランを聞いていただいて、入居しながら事業をプランニングしていくことになりました。」
東京都の乗用車の数は300万台
もともと車が好きだった木下さん。カーシェアなど、所有からシェアへという流れの中でも、車を所有して、好きなところへ出かけたり、愛着を持って車と暮らす価値も大切と感じているそう
「僕らの世代はどちらかというと車を所有しないで、シェアする世代と言われていますよね。でも、本当だったら自分の車を所有したいと思っている人も多いんです。ただ、価格だったり都市部の駐車場料金など、維持費の問題でそれが出来ないだけ。どうしたら車を所有したい人たちを増やせるのか、色々アイデアを考えるうちに、車に広告を載せることを考えたんです。」
「お金のない大学生にとっては、車検や重量税、車両税などとにかく維持費がかかる。ゆくゆくは、車を保有すること自体は無料で、その車で街中をある一定期間走ることが担保されれば、車を保有することができる。そんな事業アイデアなんです。」と語る粟井さん。
これからの時代に則したビジネスモデル
現時点ではトライアルで数台の車に広告を掲載しながら、エリアを走らせ効果測定を行なっている段階とのこと。これからの意気込みを語る木下さん。
「街に出ると、広告って本当にあふれていますよね。だったら、車にも普通に広告があってもいいんじゃないか。ドアや、バンパーなど、大きさに関わらず大小のステッカーのようなものを掲載、その枠を広告枠にする。そんな発想から始まっています
車や時計、家もそうですが、所有することのステイタスは世代によって大きく変化していると思います。カーシェアリングで、車を使いたい時に使えれば良い人もこれから増えていくでしょう。同じく自分の車に広告が貼ってあっても、そのことを気にしない世代も増えるかもしれません。今はそういったことを望まない人が多いかもしれませんが、これからは違うのではないか。そんな風に思っています。
また、広告もただ目立つようなものを張るのではなく、デザインセンスのある、掲載したくなるようなものをプロデュースしていきたいんです。」
「まずは、データを集めながらどうマネタイズしていくのか、考えながらトライアルを行なっている段階です。限られたエリアに特化することで、飲食店などの広告を出す側にとってのメリットを数値化できるかが、今後大切になってくると思います。」と粟井さん。
J-Create+に入居して
まだ学生の二人にとって、今の環境は日々勉強することばかり。必死にさまざまな視点で成長が求められている日々とのこと。
「インキュベーションマネージャーの松本さんには、ビジネスの大変さやシビアさを叩き込まれています。そんなに簡単なものじゃないと、よく言われていますから。他の入居者の方々のような、実績や人脈、経験がない僕らにとって、この場所と出会えたことが本当に幸運だと思います。皆さんにアドバイスをしていただきながら、1つ1つアクションをしながら、形にしていくつもりです。」
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粟井さんは、卒業後に内定をもらった企業へ就職が決まっているとのことで、木下さんが今後はメインで進めていくことになる。これからは起業という選択肢が、もっと一般的になっていくことが想定される未来、彼らのような学生から起業する人たちも今後増えていくはず。そういった人材を地域全体でサポートしていくことも、地域密着型の金融機関としての役割の一つかもしれません。今後の彼らのアクションが楽しみです。
■ レンテックス
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