起業家インタビュー / 株式会社ツアープラス・ワン 代表取締役  倉西芳次

高付加価値の旅を通じた地域活性に取り組む

 2018.10.8

J-Create+に入居する起業家の方々をご紹介するインタビュー企画。今回ご登場いただくのは、星や日食、オーロラなど天文関連のツアー企画と地元大田区の地域活性をテーマとして旅行企画などを行う株式会社ツアープラス・ワンの倉西さん。


創業のきっかけ、ビジネスを通じて、どんな価値を社会にプラスしていきたいのか?

そして、これからの展望について、さまざまなお話をじっくりとうかがいました。


大手旅行会社から、独立


40年ほど旅行業界で活躍されてきた倉西さん。大手旅行会社である近畿日本ツーリスト、その後セブン&アイホールディングスの旅行事業部門である、セブンカルチャーネットワークとさまざまなご経験を経て、独立。この4月に法人を立ち上げたばかり。


「元々在籍していた近畿日本ツーリストでは、旅行企画や営業、添乗員などさまざまな仕事に携わってきました。セプンカルチャーネットワークでも、“学び(カルチャー)”&””体験(旅行)”をコンセプトに、旅行事業を担当してきました。」


「私も今年63歳。大きな企業の中では、どうしても規模や効率、収益性を考慮して、手掛けられず諦めてしまう企画もありました。改めて、規模は小さくはなるけれども、一人一人のお客様に寄り添った高付加価値の旅行企画を、自分一人で提供していくことをしてみたかったんです。これまでも、お客様と一緒に旅をして、喜んでいただく姿を見た時が一番嬉しかった。いろいろな経験をさせていただいたので、この年齢だからこそ出来るチャレンジしてみようと思いました。」


星・天文の旅の魅力


近畿日本ツーリスト時代から星や日食、オーロラなどの天文のツアー企画を実施してきた倉西さん。その旅の魅力はどんなところにあるのだろうか?


「星など天文をテーマとした旅の企画には、有名な3つの不治の病があると言われています。1つは日食病。もう1つはオーロラ病。最後に南天病(南半球の星)です。どれも、一度その魅力を知ってしまったら、治らない!治療は行くしかない!(笑)。

あまりの美しさに感動で体が震えてしまうほどなんですね。私は1983年から日食ツアーなどを実施してきましたが、星・天文のツアーを本当に楽しんでいただくために、お客様が万全の体制でその瞬間に立ち会える準備が必要なんです。」



 


特に日食やオーロラは、その場所に行かなくては見れない現象のため、天気や温度、現地環境との調整もあり、非常に緻密で慎重な旅程計画が必要になるそう。


「何百人を集めたツアーでは、真の意味での顧客満足を維持した旅行企画を作るのは難しい。例えば星空を専門に撮影する方々のカメラには特殊な装置を付けているので、電源が必要だったり。屋外でも電源や日よけやトイレ、さまざまな準備が必要です。一人ひとりのお客様のニーズ、ご要望にお答えすることが、本当の感動、旅の魅力を感じていただけると思います。わざわざ現地まで足を運び、短い時間の貴重な現象を味わうためには、交通事情から宿、さまざま状況を予想しながら、まさかの状況に対応できる準備が大切になってくるんです。」


大田区の魅力を伝えるツアーとは?


もう一つ倉西さんが手掛けていくツアー企画のテーマに、地元大田区の地域活性がある。大田区には数多くの町工場が存在し、非常に高い技術力を持つ技術者が多い。この地域特性を生かした、ツアーを企画・実施していくことを計画している。


「今さまざまな地域で新しい視点の観光資源の発掘が行われ、今では産業観光というジャンルも確立されている。その魅力をツアーを通じて他のエリアの方々に楽しんでいただく取り組みが増えています。私自身も大田区に暮らし、この街が大好きです。大田区は日本を代表するものづくりの街。この街の町工場が持つ技術力をもっとたくさんの方々に知ってもらえたらと思っています。羽田空港もありますしね、国際都市大田をもっと具現化していけたらと思います。

また、町工場の課題としては後継者不足や、大きな社会環境の変化もあり事業規模の縮小をしなければならないところも多いと聞きます。こういった町工場と訪れる人たちとのマッチングコミュニケーションにより、あたらしい視点での社員教育の機会としても捉え、事業承継や人材採用にも繋がるような仕掛けも生み出していきたいと思います。」


これからの展開


ツアー企画を通じて、その土地・地域の魅力を提供していきたい倉西さん。あらためて、事業に対する想いをうかがいました。


ツアープラス・ワンの社名は、何か1つ今までになかった魅力や付加価値を乗せて、お客様に届けたいという思いから名付けました。体験を通じた感動を提供することで、面白かった、楽しかったと言っていただけることが喜びです。お客様の心に残る企画をどんどん生み出していきたいですね。」


「大田区は羽田空港の存在をさらに活かして、これまで素通りしてしまっていた方々に足を止めて滞在していただきたいですね。その部分で、ツアープラス・ワンが役に立つことが出来れば本当に嬉しいですし、そのために多くの皆さんと連携しながら、事業を成長させていきたいですね。」


J-Create+に入居して


まだ半年ほどの倉西さん。独立してから、これまでのサラリーマンから経営者になったことで、はじめて経験することも多いそう。


「大田区に住まいもあり、城南信用金庫にも口座を持っていたことからJ-Create+と出会えました。元々は自宅で始めるつもりだったのですが、やはりメリハリがつかなくて。」


「今はインキュベーションマネージャーの松本さんとの月一回の面談なしでは、立ち行きません。創業してから、さまざまな公的な質問窓口にも足を運んでいますが、本当のプロフェッショナルなアドバイスを、定期的にビジネスの細かい部分も含めて伴走していただけるメリットを噛み締めています。

こうした他者の方の目を通じた客観的な意見、そして何より経営を進めていく上での必要なツールやものごとについても、アドバイスをいただいて本当に助かっています。今“なんでも相談室”方々ともお話をさせていただいております。」



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これまでの仕事の経験の中で、お客様から「良かった!・楽しかった・また来たい」と、直接喜びの言葉をもらえるのが一番の喜びと語る倉西さん。これからも数多くの方を魅了するツアー企画を期待しています。


■ 株式会社ツアープラス・ワン
所在地: 東京都大田区西蒲田6-32-11 城南信用金庫蓮沼支店3階 J-Create+
TEL&FAX:050-3488-5503
E-mail: y-kuranishi@tourplusone.com
携帯:080-3474-5368
HP:http://tourplusone.com/

株式会社ツアープラス・ワン

株式会社ツアープラス・ワン

地域の活性化や人々が暮らしの豊かさを実感できる事業に取り組み、活気に溢れる豊かな社会づくりに貢献する旅行企画会社。

http://tourplusone.com/

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