INTERVIEW

インキュベーションマネージャー卒業インタビュー【松本先生編】

 2022.4.11

インキュベーションマネージャーとして、任期を務められた松本先生。改めて、インキュベーションマネージャーを卒業された今をインタビューさせていただきました。


改めてになりますが、自己紹介をお願いします。


新卒以来電機メーカー、パナソニックでエンジニアとして携帯電話の開発を大体10年くらいやっていました。ただ元々実家が自営業であったこともあって、ビジネスを作っていくところに興味がありました。


 


そこでもう少し広い世界を見たいなと思って、色々試行錯誤する中で、たまたま中小企業診断士という資格を見つけて面白そうだなとってみようかなと思い資格を取りに行きました。資格を無事に取得でき、中小企業診断士同士のネットワークが広がって、この仕事面白そうだなと思って独立して今に至っています。


独立された当初のことを聞かせてください!


中小企業診断士をスタートした当初は、この業界に強いやこの職種に強いなどはあまりなかったんですよね。大企業の研究所出身なこともあり、今までWord、PowerPoint、Excel、どんなツールでも資料をたくさん作ってきたので資料作成は得意でした。また技術者出身なこともあり、話の整合性が取れているかなど論理的な視点で物ごとを整理をしていくことも得意でした。そこから自分の強みを認識できました。


 


経営者の方から話を聞いて、矛盾がないか、どのようにすればより説得力を増すのか、事業者目線で共に整理を行います。そして、実際に方針と次のアクションを思案します。さらに進捗の管理、フォローアップを行います。今では業界・業種・規模に関係なく、喜んで頂いています。これらのスキルが今の補助金申請支援にも活きています。


 



 


事業者目線って難しくないですか?


そうですね。私の場合、ある経験があります。中小企業診断士としてキャリアをスタートしてから、あるご縁を頂きました。省エネシステムの開発をしている会社に、役員としてジョインさせていただいた時期がありました。時代の中で立ち行かなくなってしまった会社の社長さんが、リベンジするために、興した新しい会社でした。


 


創業だったので、当初現場から経営に至るところまで幅広くご支援させて頂きました。そこで創業時の生のシーンを、役員として行ったことが大きな経験となりました。事業者の視点で捉えることができるようになりましたね。


先生にとって創業支援とは?


実は、創業支援って結構難しいことだと思っています。リソースが限られた中で事業を立ち上げる場合がほとんどだと思います。そこを支援っていうと、ただ助言するのみだと難しいですよね。10社いたら1社大成功、でも他9社は奮わずってよく言われると思います。


 


創業者一人一人の想いもありますし、創業支援の現場で強く思うのは、全員失敗してほしくないわけですよ。そこで心がけていることは、とてもとても大きな成功を作ることより、まずは大きな失敗をしないようにご支援することです。1社1社状況が違うわけなので、その会社さんにとって、必要なタイミングでアドバイスして、その後の進捗を共に追う。そして新たなチャレンジを後押しするっていうサイクルですね。


 


Jcreate+のインキュベーションマネージャーとしても、大成功を少ない確率でも生むというより、入居いただいた皆さんに大きな失敗をしないようなサポートを心掛けました。小さな失敗はどんどんして頂きたいと思います。そのような伴走をさせていただいたインキュベーションマネージャー業務でした。


印象に残る出来事をお聞かせください!


個別相談の中でお伝えしたことを後で「うまくいきました」とご報告をいただいた時が印象深いですね。お客さんとの商談がうまくいってないや、ファーストコンタクトの機会はあるものの、話が前に進まない、お金に結びつかないなど、「こういう風にやったらどうですか?」っていうアドバイスを差し上げたときに「お金もらえるようになりました。」とかね。そういう日々の積み重ねですね。「上手くいったよ」という連絡を頂いた時って、役に立てたという一番直接的な実感がありました。入居者のいろんな方のそういうシーンは印象深いですね。


 



卒業した今のお気持ちを率直にお聞かせください!


この仕事はやはり面白いなと思いました。何が面白いかって継続的なご支援ができるということです。一回っきり、あるいは2回3回通う人がいても、一年二年三年というスパンで一緒にずっと見守っていくことができるご支援ってなかなか無いと思います。純粋に創業者の方々が、成長し変わっていく様を振り返ると、喜ばしいことです。どこが役に立っているのか明確に言い上げることは難しいですが、少しでもお役に立てていたなら、光栄です。私自身も、創業支援のお仕事があったら、積極的に携わりたいですね。


入居者の方へメッセージをお願いします!


最初から順調な滑り出しの方もいらっしゃれば、苦労した方もいらっしゃると思うんですけど、Jcreate+を卒業するタイミングが一つの分岐点だと思うんですよ。何かというと、オフィスをどうするかということ。


 


外でオフィスを借りると、それなりに収益を上げていかないいけない中で、次のステップまでにスケールアップして、人を雇用していくのか、自宅兼事務所でフリーランスとしてやっていくのか。どちらが正解というのは無いですが、もし外でもう少しスケールアップしていくための形をとっていくのであれば、そろそろ準備を意識して経営をやっていただきたいなという風に思います。


 


将来どうなっていたいか、三年後五年後どうなっていきたいか、ざっくりと年商と従業員の規模感ですね。そこから逆算して考えてほしいです。自分の人生な訳なので、その人自身の価値観や生き方を大事にしつつ、どうなりたいのかというイメージを自分自身で意識して頂けたらと思います。


次期インキュベーションマネージャーへメッセージをお願いします。


今までのインキュベーションマネージャー業務はあくまで私のやり方です。次のインキュベーションマネージャーさんご自身の持ち味を生かして新たなスタイルでやっていただくのが一番いいのかなと思います。前例踏襲になるとだんだんつまんなくなっていくと思うんですよ。もちろんいいと思って頂いたものは残しつつ、自分のスタイルとミックスさせながら、Jcreate+を進化させて頂き、次につなげていただければ嬉しいです。心からみなさんを応援しています。