J-Create+に入居する起業家の方々をご紹介するインタビュー企画。今回ご登場いただくのは、今急成長中のシェアリングエコノミーの分野で、製造業の舞台で数多く活躍している精密機器の“もったいない!”を無くす、精密機器のオンラインマーケットプレイス【Ekuipp】を立ち上げたAnyble株式会社松本さんにお話を伺いました。
創業のきっかけ、ビジネスを通じて、どんな価値を社会にプラスしていきたいのか?そして、これからの展望について、さまざまなお話をじっくりとうかがいました。
オイルフィールドサービスから、スタートアップ・起業の道へ
現在37歳の松本さん。Anyble株式会社を創業しEkuippの立ち上げに至ったのは、もともと石油探査機器の開発に携わった経験から。
「前職ではエンジニアとして、様々な精密機械を活用してきました。大手のオイルフィールドサービス会社に在籍し、主に地中の石油や地質を調査したり、分析するセンサーなどの開発に携わってきました。大きな企業だったということもありますが、数多くの精密機器が倉庫にある環境で働いてきたんです。管理を担当したこともあって、1年に数回しか使われていないものも、1つや2つではなかったですね。これらの機材は、正確な数値を出すためにはメンテナンス・校正という、プロセスが必要で、事業者としては管理するのも大変なんです。」
倉庫に大量に眠っている高価な機器が、使われずに眠ったまま、減価償却を待って廃棄される様子を見ているうちに、これらの資源を利活用できるようにすべきではないか?そう感じて、Anybleを立ち上げた松本さん。
社会貢献度が高いからこそ、取り組んでいきたい事業
「独立してこの事業をはじめようと思ったのは、偶然と言えるかもしれません。ただ、前職の開発部門が日本支社を撤退することが決まり、転職というステップよりは何か社会の課題解決を通じて起業した方がいいなと。現状に不満があるのであれば、変えていきたいですよね。」
と語る松本さん。平成30年3月に法人化、共同創業者と二人で立ち上げた。
「前職の後輩と創業したので、よく二人で話をしていましたね。当初は精密機器のオンラインマーケットプレイス以外のビジネスも考えていたんです。ただ、これまでの経験から確実に社会に必要なサービスを生み出せたらと思っていたので、現在のドメインに落ち着きました。現在は彼が開発などの技術周りを担当、そして私が営業サイドを担当する、そんな役回りが自然と形作られてきています。」
【ekuipp】売る側も買う側も使いやすいサービスを目指して
サービスは売りたい人、買いたい人がそれぞれ登録し、マッチングを行うプラットフォーム。だからこそ、ユーザーとなる利用者さんが使いやすいサービス設計を心がけている。
「売り手としては、使わなくなった機器を売ることができるので資産の圧縮が可能です。そして買う側はもちろん、良質な機器が安く手に入る。ただ、販売される機器の品質については気になりますよね。そこで、校正・修理サービスも提携企業様と体制を構築して、売り手となるお客様に提供していきます。合わせて、買う側としても、企業決裁のフローをイメージして、見積書や請求書などのアナログデータも提供できるように準備を進めております。」
「これから多くの方々に活用いただくために、現在はPR戦略に力を入れています。オウンドメディアを立ち上げ、精密機器を企業内で担当している方々へ、効果的な情報発信を通じて、機器の利活用の場をもっと身近にしていきます。日本のものづくりが再び活況な状況を生み出していくには、こういった機器が求めやすい価格で手に入る環境というのも大事になってくるはずです。その分野を私たちがしっかりと切り開いていきたいですね。」
大田区に拠点を構えて、製造業に貢献を
平成30年の10月に事業会社を通じて出資を受けたAnyble。
「これからの日本社会に必ず貢献できるサービスだと考えています。大田区は製造業が数多く集まる町。この町に拠点を構えさせていただいたことで、より使命感を持ってビジネスを進めていけると思います。マーケットプレイスを通じて精密機器を買うカルチャーは、まだまだ出来ていないのが現状。我々がその分野を切り開いていく覚悟です。ぜひ、応援していただけたら嬉しいですね。」
▶︎精密機器のオンラインマーケットプレイス【ekuipp】と合わせて、精密機器に関するさまざまな情報を発信するメディアの運営も行なっている。
計測器、測定器の情報メディア:ekuippmagazine/
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マーケットプレイスを通じて、売買のプラットフォームとして事業を展開しながら、Anyble自体が機器を買い取っていくことも構想中とのこと。お客様となる中小企業の製造業のビジネスサポートも行なっていくそうです。Anybleが広く国内外の多くの皆様に活用される日も近いかもしれません。
これからのAnybleの事業展開が楽しみです。
■ Anyble株式会社
住所: 東京都大田区西蒲田6-32-11 城南信用金庫蓮沼支店3階 J-Create+
TEL:050-3101-9995 FAX:03-3730-5126
HP: https://www.anyble.com/