起業家インタビュー / 合同会社Be Connected 代表 本田 智也/副代表 飯塚 航也

共に働き、共に生きる —— 外国人材との「共生」を支える挑戦者たち

 2025.8.29

J-Create+に入居する起業家をご紹介するインタビュー企画。


今回ご登場いただくのは、外国人材に特化した総合コンサルティング会社「合同会社Be Connected」の代表・本田智也さんと、副代表・飯塚航也さんです。

採用から定着支援、そして共に働く環境づくりまで。

外国人材との“真の共生”を掲げ、現場で挑戦を続けるお二人に、起業の背景やこれからのビジョンをうかがいました。


起業の動機は「日本をもっと良くしたい」という想い


代表の本田さんは、ニュージーランドの大学で国際政治を学んだのち、ベトナム、タイ、ミャンマー、スリランカ、ネパールなど、東南アジアを中心に約4年間を過ごしました。通算8年にわたる海外生活を通して、日本が直面する少子高齢化や労働力不足の課題を、より現実的に捉えるようになったといいます。


「日本の人口が減り続けるなかで、このままでは社会が回らなくなる。海外での生活を通じて、外国人材の力をうまく活用すれば、日本の人材不足を補えるのではないかと考えるようになりました」


帰国後は、教育機関での国際推進業務や外国人学生向け寮の運営、人材紹介業に取り組み、若くして年商1億円を超えるビジネスを築き上げました。しかし、2019年には経営権を外部に握られるかたちで事業継続が困難となり倒産。1億円の負債を抱え、精神的にも極限まで追い詰められたと語ります。


そんな本田さんを再び立ち上がらせたのが、現在の共同経営者・飯塚航也さんの存在でした。かつて政治や社会課題への問題意識を共有していた二人は、別々の道を経て再び再会。飯塚さんは「彼のような人材が埋もれてはいけない」と語り、ともに新たな事業に挑むことを決意します。


そして2021年、外国人材との真の共生を目指す総合コンサルティング会社「合同会社Be Connected」が誕生しました。


「紹介して終わり」ではない


Be Connectedの一番の特徴は、「紹介して終わり」ではなく、「一緒に働ける環境をどう築くか」を大切にしている点だといいます。


「日本の企業が外国人材の採用に踏み切るには、さまざまなハードルがあります。言葉、文化、制度の違いによる不安や戸惑いは大きく、「紹介されても定着しない」「社内の受け入れ体制が不安」といった声も少なくありません。

私たちBe Connectedは、こういった声に向き合い、“一緒に働ける関係性”を重視した支援を行っています。

こういった採用から定着、そして共に働く体制づくりまでを支援する姿勢が、多くの企業からの信頼に繋がっていると考えています。」



法制度も文化も越える、「国際人事部」としての役割


外国人材の採用には、在留資格や制度変更など専門的な知識が求められますが、Be Connectedでは幅広い対応が可能だといいます。


「特定技能や技能実習、ワーキングホリデーなど主要な制度すべてに対応し、年間1,000人規模の受け入れ支援を実施しています。業種や雇用目的に応じて最適な制度を提案し、導入から定着支援までを一気通貫で行うことが可能です。


また、外国人材といえばアジア系という一般的なイメージを超えて、英語圏をはじめとする欧米出身者とのマッチングにも力を入れています。実際、社内にはベトナム、ミャンマーのアジア国籍のメンバーだけではなくフランス語やスペイン語、アラビア語圏など50カ国を超える多国籍のメンバーが在籍しており、日常のやりとりは英語が中心という国際的な職場環境を築いています。」


こうした体制のもと、同社はまさに「国際人事部」として、企業と外国人材の間に立ち、法的・文化的なギャップを埋める存在としての役割を果たしています。




外国人材が選ばれる理由とその誤解


「『外国人は人件費が安いから雇われている』という誤解が根強くありますが、実際には日本の労働法により、外国人にも日本人と同等の待遇が求められており、給与面での優位性はほとんどないんです。


それでも多くの企業が外国人材の採用を選ぶのは、単なる人手不足の解消ではなく、職場の安定性や生産性の向上につながると実感しているからなのです。


Be Connectedが支援する現場でも、時間を守る、仕事に対して誠実に取り組む、無断欠勤が極めて少ないといった「働く姿勢」や「責任感」が高く評価されている人材も数多くいます。特に現場系の業務では、日本人以上に信頼できる戦力として定着しているケースも少なくありません。」


こうした背景から、外国人材は「代替要員」ではなく、「組織を支える大切な存在」として受け入れられるようになってきているそうです。


「共生」を軸にした未来づくり


Be Connectedが掲げるビジョンは、「外国人が活躍する日本」ではなく「外国人と共生する日本」。日本的な礼儀や文化、時間を守るといった価値観を共有し、理解し合える関係づくりを重視しているそうです。外国人に甘い支援ではなく、日本社会に溶け込み、貢献しようとする人材を本気で応援するという哲学がそこにはありました。


「『郷に入っては郷に従う』という姿勢を大切にしながらも、日本に適応しようと努力する外国人に対しては徹底的な支援を惜しみません。しかし、日本のルールや文化を理解しようとしない、自己主張の強すぎる態度には厳しく対処することもあります。」


この共生のあり方こそが、将来の持続可能な日本社会を支える基盤となっています。


今後の展望 政治への志と起業の意味



本田さんは、大学時代にニュージーランドで国際政治を学ぶなかで、日本社会が抱える制度的な課題や、国際的な立ち位置の危うさに気づいたという。そして、「日本をもっと良くしたい」という強い思いを抱くように。そして、政治の世界を目指すようになったといいます。


「しかし、政治の世界に飛び込むには、現場での経験や信頼が欠かせないと感じ、まずは実践の場として企業経営に挑戦することを選びました。


企業経営も、政治と同じく社会をより良くする手段。いずれは政治の場に立つことを視野に入れながら、今は現場での実績を積み重ねています。」


実際、本田さんは2027年の大田区区議会議員選挙への出馬を予定しており、事業活動と政治的ビジョンを両輪で進めているそうです。外国人材との共生を通じて日本社会の未来を描く姿は、政治家としての土台を着実に築いているように見えます。


自社事業化によるさらなる挑戦へ


現在は、ビルクリーニングやイベント運営など、外部企業への人材紹介を主軸としているBe Connectedだが、今後は自社での事業展開にも本格的に乗り出していくという。


「飲食業や清掃業など、自分たちで現場を持つことで、より安定的な雇用を生み出せる体制を整えたい」と本田さんは語る。実際に、大手ホテルグループ会社の清掃業務の受託や、外国人材によるハンバーガーショップの自社運営といったプロジェクトがすでに動き出しているそうだ。


紹介だけにとどまらず、自ら“受け皿”をつくることで、外国人が日本で安心して働き、暮らしていける持続可能な社会のモデルを目指す。その挑戦は、現場から制度へ、そして社会そのものを変えていく大きな一歩になるはずです。


J-Create+に入居して


J-Create+への入居は、もともと知人の紹介がきっかけだったそうです。事務所の移転先を探していた中で、コストパフォーマンスやアクセス面の利便性、そして何よりも伴走支援をしてくれる体制に魅力を感じて即決したといいます。


「日々の相談や金融機関との繋がりなど、単なるレンタルオフィスを超えた価値を感じています」と語ってくれました。


まとめ


社会課題に真正面から向き合う熱意と、現場で積み重ねてきた実践力をあわせ持つ本田さんと飯塚さん。


外国人材との共生を単なる理想ではなく、ビジネスとして着実に形にしていくその姿勢に、確かな未来への手応えを感じます。


“働く”を通じて多様な人々が支え合う社会の実現に向けて、これからのお二人の挑戦に注目です。


インタビュイー紹介


外国人材採用の支援を通じて、日本の人手不足と多文化共生の課題に向き合う本田さんと飯塚さん。ビザ制度や雇用体制への深い理解をもとに、紹介だけでなく受け入れ体制構築から企業支援まで一貫してサポート。今後は自社事業の展開を通じて「共生する日本社会」の実現を目指しています。

https://www.be-conne.com


合同会社Be Connected


代表 本田 智也/副代表 飯塚 航也


 


 


 


合同会社Be Connected

合同会社Be Connected

外国人材の採用・定着支援を一貫して行う、共生社会を目指す総合コンサルティング企業。

https://www.be-conne.com/

インタビュー関連記事

共に働き、共に生きる —— 外国人材との「共生」を支える挑戦者たち

合同会社Be Connected

代表 本田 智也/副代表 飯塚 航也