起業家インタビュー / 株式会社サファリテック CEO 小林 由快

建設DXで技術継承と効率化を実現|北海道大発スタートアップ〈サファリテック〉の挑戦

 2025.8.29

J-Create+に入居する起業家の方々をご紹介するインタビュー企画。


今回ご登場いただくのは、建設業界のDX支援に取り組む株式会社サファリテックの代表、小林由快さんです。


北海道大学で出会った仲間たちとともに起業し、クラウド技術やデータベースを活用した業務支援ツールの開発を推進。建設現場の“アナログな非効率”を変えるべく奮闘する姿は、まさに次世代のインフラを支える存在です。


創業の背景や事業への想い、そして未来へのビジョンをうかがいました。


建設コンサルタントとして痛感した“非効率”──起業の原点


小林さんは、本業として建設コンサルタント業務に従事する傍ら、建設業界のDX推進をミッションとする事業を仲間たちと共に立ち上げました。それが現在の株式会社サファリテックです。


「北海道大学の理系学部で出会った4名のメンバーで創業しました。僕自身が建設コンサルとして現場に携わる中で、『なぜこんなにも非効率なのか』と感じる場面が多くありました。それをテクノロジーで解決したいという思いが、すべての出発点です。


週末や仕事終わりの時間を使い、少しずつ検証を重ねた2年の“助走期間”を経て、信用力や営業活動の必要性を考慮し、2024年に法人を設立しました。

現在はそれぞれ東京と仙台に拠点を置きながら、リモートで協働し、全国のクライアントとオンラインでやり取りを行っています。」


建設コンサル/資材メーカー DX ツール「Buffalo」「Giraffe


サファリテックでは、建設コンサルタント向け業務支援ツール「Buffalo」と、資材メーカー・商社向け営業支援ツール「Giraffe」という2つのプロダクトを開発中です。


Buffaloは、設計業務を行う建設コンサルタントが、協力会社への発注業務などをデータベースで一元的に管理できるツールです。現在プロトタイプをテスト導入しており、現場からのフィードバックを反映させながら改良を重ねています。


もう一つのGiraffeは、営業先の情報が担当者のみに偏りがちな資材メーカーや商社向けのツールです。営業先情報を整理することで、誰でも営業活動が行えるような体制を構築することを目的としています。」


建設業の「人材不足 × 営業負荷」を、DXによる効率化で解決


人手不足が深刻化する一方で、限られた人員で営業や受注対応までこなさなければならない。それが、いま多くの中小建設会社や建設コンサルが直面する現実です。「営業は属人的で非効率」「案件の情報管理が煩雑」——こうした現場の悩みに向き合い、サファリテックは営業支援と業務効率化を一体で実現するDXツールを開発しています。


現場に寄り添った設計思想を大切にしながら、「少ない人数でも回る仕組み」をつくること。それが、彼らが描くこれからの建設業のスタンダードです。


守りたいのは、日本の建設技術という資産


建設DXを検討中の中小ゼネコン・建設コンサルに向けて――サファリテックは、技術継承と営業効率化を同時に実現する手段として、現場起点で開発した2つの支援ツールを提供しています。



  • ・Buffalo:協力会社とのやりとりをクラウド管理し、発注業務の効率化と業務ナレッジの蓄積を支援

  • ・Giraffe:営業先情報のデータベース化・可視化により、営業活動の属人性を排除し、受注機会を最大化


建設業界では、58.2%の施工会社が技能労働者不足を課題として認識しており(※国土交通省「建設業における人材確保・育成の現状等について(令和4年度)」)、とくに中小企業においては、営業活動の属人化や情報の分断が深刻で、人材不足と受注確保の両立が困難な状況にあります。私たちは、こうした構造的課題に対して、テクノロジーの力で現場を支える“裏方”の立場として取り組んでいます。


人手が限られる中でも、本質的な業務に集中できる環境をつくる。それが、サファリテックが目指す建設業の未来像です。


現場から生まれたDXで、建設業に持続可能な未来を


私たちサファリテックは、現場で感じた違和感や課題を出発点に、建設業の未来に貢献するDXをかたちにしてきました。

属人的な営業や非効率な発注業務といった日々の悩みに、現場に寄り添った解決策を提供していくことが、私たちの使命です。

建設業の人材不足やDXにお悩みならお気軽にご相談ください。


https://www.safaritech.jp/contact


J-Create+に入居して


小林さんはJ-Create+を拠点に選んだ理由について、安心感とビジネスの親和性を兼ね備えた場であることが決め手となった、と語ります。


「J-Create+は城南信用金庫さんが運営している施設ということで、非常に安心感があります。また、実際に入居されている企業の中には建築系の会社さんも多いとうかがい、そうした環境との掛け算が魅力と感じました。」


まとめ


「職人さんたちへのリスペクトがあるからこそ、自分たちができることで支えたい」


そう語る小林さんの言葉には、技術と現場の間に立つ者としての覚悟と優しさがにじんでいました。


建設業界の未来をテクノロジーで支える──その大きな志を胸に、サファリテックの挑戦は続いていきます。


インタビュイー紹介


株式会社サファリテック

建設業界の「非効率」をテクノロジーで解決するスタートアップ企業。クラウドやデータベースを活用した業務・営業支援ツールを開発。「守りたい日本の技術」を掲げ、建設業のDX推進に挑む。

https://www.safaritech.jp/


株式会社サファリテック

CEO 小林 由快


 


 


 


株式会社サファリテック

株式会社サファリテック

最先端のデジタル技術で建設業界に革新をもたらします。私たちは、建設業界の課題を解決し、効率化と生産性向上を支援します。

https://www.safaritech.jp/

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